シリーズ・筑豊を元気にする人々-吉栁佳代子

「だって…恥ずかしいんだもん♡」
おどけた表情に笑いが起こります。そこにギターがじゃらんと鳴らされました。へんてこな歌を歌いだす役者。暗い会場は再び大きな笑いに包まれます。
「次は何が起こるんだろう」「どんな台詞が飛び出すのかな」展開をワクワクしながら見守る客席。期待が膨らみます。ところが、劇を演じているメンバーにさえ今後の展開は分かりません。なぜなら、この舞台には台本が存在しないのですから。
 
「improvisation(インプロヴィゼーション)」略してインプロ。英語を直訳すると「即興」という意味になり、「即興劇」という意味で使われることもあります。大まかなテーマが決められていることもありますが、台詞や動作をはじめストーリーの全てが即興で展開されるのです。アドリブの進行には独特の緊張した雰囲気があり、観る人はそのスリリングなやりとりを楽しみます。
 
“生き様”
「その人の内面がさらけ出されるのが特徴であり、面白さなんです」
そう話すのは、インプロ集団MOSAïQUES(モザイクス) の吉栁さんです。インプロは、その場その場で作り出される即興演劇ですが、キャラクターのモデルが過去に関わった人になっていたり、言われたことのある言葉が無意識に出てくることも多いと言います。
「憧れていた先輩や怖かった先生、誰にも言えなかった願望や心の中に蓋をしておいた友達への嫉妬が思いがけずに現れて、演じる自分が驚くことだってよくあるんです。台本が無いインプロでは、その人の経験や考え方をベースにした“生き様”がありのまま表現されます。オチがつかないことがあったり、演劇的に失敗してしまうこともありますが、自分の生き様を果敢に表現するメンバーたちの姿を、ぜひ観て欲しいと思います」
 
昨年から毎月の定期公演を始めたMOSAïQUES。多くの公演を経験して、メンバー達は、より自分らしく大胆に演 技できるようになりました。
「学校や社会では、成功することと失敗しないことが評価されることが多いですよね。そのせいで、うまくできない自分をダメなんじゃないかって思ったり、自己嫌悪に苦しんでいる人がたくさんいます。MOSAïQUES のインプロは、そんな人にこそ観て欲しいです。人生というせっかくの大冒険なんだから、失敗も怖がらないで楽しもうという思いを、インプロを通じて伝えられたらと願っています」
「公演を観て元気が出た」「面白かった。また観たい!」「頑張ろうって気になれた」観客から多くの声が集まり、すべての声がMOSAïQUES の力になります。
「演じる自分たちも楽しいインプロが、観る人にも元気・勇気をわけられることを嬉しく、そして誇りに思います。できるだけ良いパフォーマンスができるように、そして、お客さんにもっともっと楽しんでもらえるように頑張るので、ぜひ公演を観に来てください。MOSAïQUES と一緒に元気になりましょう!」
インプロを通じて元気を届けるMOSAïQUES。筑豊をもっと楽しく面白い街にするために、メンバー達は熱いパフォーマンスを続けています。最後に、学生時代インプロに励んでいたというTwitterのCEO、ディック・コストロ氏の言葉を、吉栁さんは紹介してくださいました。
『人生に台本はありません。あなたの人生を生きてください。この時、この瞬間を楽しんで』
 

 WING編集部 大西洋子

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