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【田川】70年にわたる画業を振り返る。田川市美術館にて「生誕70周年記念 阿部直昭展 大地に芽吹く」開催中




青々としたイチョウの木に初夏の訪れを感じます。
今回やってきたのは、田川市美術館。

田川市美術館では今まさに、今年度初の展覧会を行っている最中。その様子を取材させていただけることになりました。

 




開催されているのは、阿部直昭の生誕70周年を記念した展覧会「阿部直昭展 大地に芽吹く」。

筑豊を代表する画家・阿部平臣を父に持つ阿部直昭は、中学校の美術教師や阿部絵画教室の指導者として地域の美術振興に貢献してきました。
彼の70年の人生における、これまでの画業を振り返るというのが展覧会の大きなコンセプトです。

 




展覧会で最初に待ち受けていたのは不思議なオブジェたち。
麦の入った焼酎壺や乾燥したハスの実、ヤマドリの剥製など様々なものが並んでいます。
こうした展示は阿部直昭のアトリエを再現する一つの試みなんだそう。
画家の創作における原動力の一端に触れ、いよいよメインとなる一つ目の展示室へ。

 




中央展示室の中心には堂々たる存在感の荷馬車がありました。
子どもの頃に荷馬車が家を訪れていた経験が忘れられず、教職に就いていた頃にご縁があり購入したものだそうです。
アトリエに置いてあったものを解体して、美術館に搬入後組み立てたそうですが、それほどまでに大きな質量を持ちエネルギーに満ち溢れたオブジェ。ぜひ間近で感じていただきたいです。

 




画家である父の背中を見て学んだ阿部直昭の作品には「地塗り」が大切にされていて、キャンバスに大まかな色・模様などを置いた後に、様々なモチーフをふさわしい場所に描いていくスタイルなんだそう。

 




作品には「彩壁」や「麦」、「大地」、「風景」といったシリーズがあり、それぞれのシリーズごとに決まった一定の主題(テーマ)があります。
主題をもとに頭の中で思い描く映像をキャンバスという有限の世界に表現していく。そうして数々の作品が生み出されてきました。

阿部先生は、見た者が何を感じるかはその人次第。素直に感じ取ったときの、ありのままの感性を大切にしてほしいと語ります。

 




ヨーロッパの風景を描いた油絵。
美大を卒業後、一年半程海外生活をされていた際に見た風景・そこで感じ取った感覚やインスピレーションが阿部直昭を構成する一つの核でもあります。
実際に現地に足を運び、その場の空気を吸って五感で感じ取ることが大切。
大人になり再び訪れた際に見た風景をキャンバスにおさめました。

 




隣の展示室には卒業制作から近年の作品まで、年代順に14点の作品が展示されています。
大きいもので200号のキャンバス(1号=ハガキ一枚程)が奥まで並ぶ光景は圧巻。
細部まで書き込まれているため、近づいて見てみるのも様々な発見があって面白いです。

 

阿部直昭さん




全国各地の展覧会や公募展に出展することが多い中、こうして多くの作品を一か所に集めることはなかなかないそうです。
70歳の節目となるこの年に、田川市美術館からの声があり開催となった阿部直昭展。
多くの方に見に来てほしいと、柔らかい笑顔でお話される様子がとても印象的でした。

 




会期中の土・日曜日、祝日(10時~16時)にワークショップをおこなっています。※クロージングトークのある5月19日(日)は午前中のみ
不思議なオブジェづくりや押し花を使ったフローティングフレームづくりが楽しめます。世界に一つだけの素敵な作品を作ってみてください。

なお、5月3日(金・祝)13:00~阿部直昭さんがいらっしゃるそうです。貴重な機会をお見逃しなく!

 




会期中は、直方谷尾美術館(4月20日~6月2日)、ギャラリー豊you(4月23日~5月19日)にて阿部直昭の作品をご覧いただけるサテライト展示も開催されています。
田川市美術館から車で5分程の距離にあるギャラリー豊youは、伊田商店街の中にあります。

 




入場料金は無料。
開廊時間は11:00~17:30、月曜日が休廊日です。

 




ギャラリーでは絵画やオブジェの展示・販売の他、ポスターカードの販売も行われていました。
ぜひサテライト展示の方も合わせてお楽しみください。

 




阿部直昭 略歴
1954 7月16日福岡県直方市生まれ
1979 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
1987 第42回行動美術展行動美術賞
(85年奨励賞、86年新人賞)
1998 青木繁大賞展わだつみ賞
第13回現代日本絵画展・宇都ビエンナーレ
朝日新聞社賞(第7回、第16回佳作)
熊日総合美術展21世紀アート大賞
’98県文化協会賞
1999 第6回別府現代絵画展大賞
2000 第35回昭和会展昭和会賞
2015 第9回北海道現代具象展
2016 公募団体ベストセレクション展2016
(東京都美術館・東京)
開館25周年記念アーティストの反骨精神
「沸点」(田川市美術館)
2021 第76回福岡県美術展覧会
美術協会創立80周年記念賞

現在
行動美術協会会員、福岡県美術協会会員
一般財団法人阿部美術振興財団 代表理事

 


Information
生誕70周年記念
阿部直昭展 大地に芽吹く
期間 4月12日(金)〜5月19日(日)
時間 9:30〜17:30
※入館は閉館30分前まで
定休日 月曜日(祝日の場合はその翌日)
料金 一般 500円(400円)/高大生 300円(200円)/中学生以下無料

※( )内は20名以上の団体料金/田川市在住の方は、身分証明書を提示していただくと( )内の料金で入館が可能
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方及びその介助者1名は無料/毎週土曜日は高校生以下無料

田川市美術館
所在地 〒825-0016 福岡県田川市新町11-56
駐車場 あり
主催/田川市美術館
協力/一般財団法人 阿部美術振興財団
お問い合わせ/田川市美術館
0947-42-6161
ウェブ 田川市美術館
インスタ @tagawa_museum
フェイスブック 田川市美術館
ツイッター @tagawashibi

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nagano

nagano

WING編集部

田川市出身。2023年の秋ごろから1年程携わった編集部での活動を通じて、写真や記事についてたくさん勉強させてもらいました。現在は主に動画での店舗紹介に関わりつつ、新しいことを吸収する日々。AIには作れないものを残していけたら良いなと思います。

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