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【宮若】鉄を打ち、蕎麦も打つ。藤の木の本格手打ちそばセット


宮若市の竜徳高校の目の前にある鉄の美術館へお蕎麦を食べに行ってきました。
鉄のアートとお蕎麦?と思ったあなた、わかります(笑)。
宮若の人なら鉄の美術館を知っている人も多いはず。でもここでお蕎麦が食べられるのは意外に知られていないかも。

一歩足を踏み入れれば、そこには想像以上の温もりと、こだわりの世界が広がっていました。正直びっくりしますよ!

 


鉄のユニークなアートが四方八方から出迎えてくれます。
店主の石橋鉄心さんは、なんと御年80歳。とてもそんなお年には見えない、姿勢も声もしゃんとした方で肌もツヤツヤです。
現役の鉄工芸作家であり、作品展示のスペースを併設したこの店で、毎日蕎麦を打ち続けています。
すごい!という表現では足りない、まさに「今が現役!」とバイタリティのかたまりのような方でした。

 


店内もどこかなつかしい、THE昭和の雰囲気です。
この部屋にはテーブル席が4席あります。ご自慢の薪ストーブもありました。

 


奥の部屋には、8人が座れる大きなテーブル。
そのまわりにも、鉄心さんの数々の作品が並び、どこを見ても鉄の世界です。
鉄心さんは、馬車鍛冶屋の長男として生まれ、鉄と火に囲まれた幼少期を過ごされたそう。
その後、鉄工芸作家として多くの展覧会で入賞を重ね、全国の展示会へ車で行脚されていた時期もあったそうです。
そんな中、茨城県・里美村で衝撃の蕎麦と出会われたのです。

 


そばセット(小鉢付き)と大盛そばのセットをいただきました。
大盛は2倍の蕎麦が入っているそう。食べられるかなぁ~

 

そばセット(小鉢付き)1,000円


そばセット(小鉢付き)です。結構なボリュームです。うれしい小鉢が2品もついていてスイカまで!蕎麦は北海道産の「キタワセ」というそば粉を使用しています。
なんとこれで千円ぽっきり。物価高の昨今、お財布にも心にも沁みるお値段です。

 


まず、シャキシャキ大根ときゅうりのサラダ(マヨネーズ味)をいただきます。

 


こちらはほうれん草のおひたしです。やさしい風味でおいしい。
小鉢は日替わりなので楽しみですね。

 


大好きなお蕎麦をいただきます。九割蕎麦で、しっかりとした香りと歯ごたえ。すっと喉を通る一本一本に、ていねいな手仕事を感じます。鉄の芸術家でありながらも、こんなおいしい蕎麦が打てるとは。
鉄心さんのこれと思ったら突き進むそんな職人気質が蕎麦にも伝わっているようでした。

甘めのつゆに九割蕎麦がよく合います。ちなみに、このつゆと小鉢を手がけているのは、鉄心さんの右腕、ゆかりさん。共同経営者でもあり、厨房を支える大切な存在です。そのゆかりさんは現在、幟旗(のぼりばた)のリメイクなどを主に手がけていらっしゃいます。
おふたりの感性が響きあって、この場所ができあがっているのだなぁと実感しました。

 

大盛そばセット 1,500円


並盛と一緒に大盛もいただきました。思わず比べてみました。
わーーーっ!大きな鉢には二倍の量の蕎麦がたっぷりと盛られています。一瞬ひるみましたが、おいしくて、ふたりでペロリと完食。

 


「蕎麦を食べて、ついでに作品を見てくれたらうれしいんだよ。」と気前よく笑う鉄心さん。

店内外には、鉄心さんが制作した作品がずらり。炭鉱の歴史をモチーフにした情景や、道具、人物たちが、かつてこの地で生きた人々の記憶をつなぐように展示されています。
これはぼた山の水洗場という作品で炭坑節を歌う(なぜか三橋美智也らしい!)横で若い女性がボタを洗っている様子です。
今ではなかなか想像しにくいけれど、かつての筑豊には確かにあった日常の風景。
お蕎麦を食べに来て、そんな「記憶のかけら」にもふれてみてほしい場所です。

 


鉄心さんとゆかりさんです。おふたりとも若々しい!共同作品を作ったり、もちろん蕎麦屋のおもてなしもご一緒にされています。
ちなみにおふたりが着用されている幟旗のお召し物はさゆりさん作。時を重ねた布が、見事にモダンに生まれ変わっていて、とてもステキです。
営業は14時までですが、予約をすれば時間外でも蕎麦を用意してくれるそうです。手厚すぎませんか?
「そば処 藤の木」と「鉄の美術館」は筑豊の昭和がギュッと詰まった宝箱のような場所でした。

 


Shop Information
そば処 藤の木
〒823-0001 福岡県宮若市龍徳199
TEL.0949-24-1117
営業時間/11:00〜14:00
予約をすれば上記時間外対応
定休日/月曜日
駐車場/あり

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Reiko

Reiko

WINGライター

唐津市出身。 自分のためだけに弁当が作れた日はそれだけでマル。 小さなコンサートやイベントの企画も好きです。 趣味は時々登山、延々と食べ歩き動画を見ること。今、ハマっているのは台湾ローカル飯。 取材先のお店では話し込みすぎてついつい長居に…

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