今回はおいしいコーヒーで話題を呼んでいるコーヒー豆の焙煎所ANTHEM ROASTERYを訪ねてみました。場所は飯塚市。事前にいただいた住所をたよりに、緑あふれる森の小道を進んでいくと、小高い場所に突然焙煎所が現われます。
提供:ANTHEM ROASTERY
古民家造りの一軒家に着くと、香ばしい香りが漂ってきました。ちょうど焙煎作業中のところをお邪魔しました。
オーナーの古賀さんは、とてもおだやかな話し方で、ゆっくりと丁寧に取材に応じてくださいました。
提供:ANTHEM ROASTERY
いつオープンされたのですか?
2020年からです。今年で4年目になります。
もそもなぜコーヒーの焙煎をやろうと思ったのですか?
コーヒーの概念が変わるコーヒーに出会ったからです。それは赤く、どこかワインのように果実味があり、それでいてメイプルのように甘いコーヒーでした。
コーヒー豆の品質に合った適正な焙煎によってそのコーヒーが表現されていると知り、焙煎に興味を持ち仕事にしようと思いました。
コーヒーチェリーの種子であるコーヒー豆は一般的な野菜や果物と違い、生では食べず、どんなコーヒー豆であっても必ず焙煎がされ、その後さまざまな形で飲まれています。焙煎という作業はなかなか目にすることはないかも知れませんが、飲んだ方々が「美味しい」を感じる上でとても大事な作業です。何となくではできません。
そういったところに惹かれました。
苦労しているところはどんなところですか?
焙煎の再現性を一定に保つことです。
一種類のコーヒー豆は何度も焙煎するので、同じような味わいのコーヒーになるように気をつけます。ですが、毎回同じ環境下で焙煎をするわけではありません。暑くて風もないような日もあれば、土砂降りで湿気がすごい日もあります。
その中で良い焙煎ができた時のファイルはパソコンに保存するなどし、次回の焙煎に活かします。それでも、一筋縄ではいかないところが焙煎の難しさです。
コーヒーの味わいは味覚が敏感でないとわからないものですか?
浅煎りと深煎りの違いはどなたでも感じることができます。
コクや苦みを求められる方は深煎りの方が良いでしょうし、スッキリとしていて紅茶やワイン、果汁ジュースのような魅力を楽しみたいという方には浅煎りをおすすめします。
提供:ANTHEM ROASTERY
よくカッピング会を開催されていますが、どのような会なのですか?
テイスティング会のようなものです。コーヒーにはそもそも数百種類のフレーバーが含まれていると言われています。もちろん品種や生産国などによって区分化はされますが、そういったフレーバーを楽しむことができるのも浅煎りならではだと考えます。
多種多様なフレーバーを、ゲーム感覚で感じていただける内容となっておりますのでご興味のある方はぜひご参加ください。
(カッピング会は不定期開催)
コーヒー豆の種類はとてもたくさんありますが、どのような基準で選ばれているのですか?
スペシャルティコーヒーの中から当店の焙煎ファイルと相性が良いものを選んでいます。コーヒーにも様々な品質があり、区分化されているのですが、一般的にはまだまだ認知されていないと思っています。
例えば牛肉。牛肉はA4、A5といった品質を表す言葉がありますがそれと同様なことがコーヒーの世界にもあります。
やっていてよかったと思う瞬間はどんなときですか?
特になにも説明をせずに、オーダーされたコーヒーをお出ししたとき、お客様の感想が自分の思い描いていることと同じだったときですね。当店は浅煎りがメインですので、「コーヒーは苦い」というイメージのまま飲まれると大抵の方はびっくりされます。「これコーヒーなの?」の先がポジティブな印象だったら嬉しいですね。
「今日は浅煎りのコーヒーにしよう」というような、コーヒーにも選択肢を持っていただけると本当に嬉しいです。
今後やってみようと思っていることはありますか?
まずは今の焙煎所ともう一つ、飯塚市内にコーヒーショップをオープンします。
やはり飯塚が好きなんですね。
子供のころは飯塚に対してネガティブな考えを持っていた時期もありましたが今は大好きです。大人になると分かる、良い街です。
飯塚に限らず、筑豊を離れてしまった同世代や若い方々が、もう一度筑豊に住もうかなとか、お店をやってみようかなとか、ほんの少しだけでも思うきっかけになってくれれば。
それは楽しみですね。そして次の段階というのは?
まだ、誰にも言ってないので内緒です(笑)
提供:ANTHEM ROASTERY
では、目標を達成したらぜひ教えてくださいね!
ショップのオープンを心待ちにしています。
今日は本当にありがとうございました。
ANTHEM ROASTERYの焙煎所では、コーヒー豆の購入のほかにドリップコーヒーの注文ができます(500円~)。
また、コーヒー豆200g以上の購入でドリップ1杯のサービスがあります。
豆はネットでも購入できますので、そちらもチェックしてみてください。
取材の終わりに、メニューの中から、ペルー/ロサス・パータ(豆:200g 1,800円・100g 950円)をアイスコーヒーで淹れていただきました。
琥珀色でとてもきれいです。ひと口飲むと爽やかな酸味が広がりすっきりとした後味。体にスーッと染みていくような感じで、透明感という表現がぴったりの味わいです。初めての感覚だったので、とても新鮮でした。
今回は、職人気質の古賀さんの焙煎やコーヒーに対する思いを伺って、もっといろいろなコーヒーを知りたくなりました。
コーヒー好きの方はもちろん苦手な方にもANTHEM ROASTERYのコーヒーをぜひとも体験してほしいなと思います。
Information
古賀克彦(こが・かつひこ)
1985年生まれ。飯塚市出身。
2020年ANTHEM ROASTERY焙煎所開業。
ANTHEM ROASTERY
福岡県飯塚市の森の奥にある焙煎所
11:00〜18:00
水曜日
所在地はDMやメールよりお問い合わせが可能です。
メール
ANTHEM ROASTERY
@anthem_roastery
掲載内容は記事作成時の情報となります。
古賀克彦(こが・かつひこ)
1985年生まれ。飯塚市出身。
2020年ANTHEM ROASTERY焙煎所開業。
ANTHEM ROASTERY
福岡県飯塚市の森の奥にある焙煎所
11:00〜18:00
水曜日
所在地はDMやメールよりお問い合わせが可能です。
メール
ANTHEM ROASTERY
@anthem_roastery
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