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【飯塚】2000年前、この街で生きた人に会いに。学芸員・髙木佳南子さんとめぐる飯塚市歴史資料館

今回ご紹介するのは、新飯塚駅東口から徒歩5分。アクセスも便利な「飯塚市歴史資料館」です。
「歴史資料館、行かない?」と誘ったら「えー、休みの日に勉強?」と返されそうな予感がする方、いませんか?
歴史の知識といえば、数十年前、教科書で習っただけの筆者。案内してくださったのは、学芸員の髙木佳南子さんです。
結論から言うと、ここは「歴史に詳しくない人もワクワクする場所」でした。

 

資料館に入ると、巨大な甕棺かめかんがお出迎え!
亡くなった人を葬るための土器の棺で、大人の背丈ほどもあります。
教科書の写真では何とも思わなかったのに、実物を見ると「大きいっ!」と声が出ました。
なめらかな曲線で、形もきれい。こんなに大きなものを手で作ったなんて、すごいなあと思います。

 

「立岩ブランド」ですね。石包丁の展示を見ていると、髙木さんからそんな言葉が。
稲の穂を摘み取るための石包丁は、近くの笠置山で採れる石が材料。立岩遺跡で作られたものは、佐賀や朝倉でも見つかっています。
最初は「これで本当に切れるの?」と半信半疑の筆者でしたが、説明を聞くと、使われていた当時はもっと刃先が鋭く、思っていたよりもよく切れる道具だったようです。
「立岩の石包丁はいいよ」と聞いて、遠くから手に入れに来た人もいたのでしょうか。2000年前の飯塚にブランドとは、楽しい驚きですね!

 

さらに進むと、衝撃の対面が。
甕棺の中に、約2000年前の人の骨が、ほぼそのまま残っているんです!
骨の主は、30歳前後の男性。当時としては高身長の約166センチ。
右腕には貝の腕輪が14個。位の高い人しか持てない腕輪です。頭のそばには中国の鏡まで添えられていたそう。
……これは、モテたのでは?
お顔はもちろんわかりません。でも、腕輪をじゃらじゃらつけた背の高いイケメンを想像しました(筆者の勝手な妄想です・笑)。

 

飯塚市歴史資料館提供

展示室には、鏡もいくつも並んでいます。
青銅の鏡だから、もともと青っぽい色なんだろうと思っていたのですが、髙木さんによると、もとはピカピカに輝いていて、顔がしっかり映るほどだったそう。
今、青っぽく見えるのは、土の中で錆びてしまったからだとか。ピカピカだったなんて、びっくりです!

 

銅鐸を鳴らしてみましょう!

髙木さんがもともと好きだったのは、幕末や日本のお城だったそう。
日本史を学びたくて大学へ進んだものの、考古学の研究室から勧誘を受けて、道が変わります。
「考古学をやってみて、楽しいなと思ったんです」。
大学の構内にある弥生時代の遺跡の発掘に参加したとき、土の中から、昔の人が使っていた器が出てきました。
「昔の人のものが、今こうやって初めて見つかるわけじゃないですか」。
歴史が明らかになる、最初の瞬間に立ち会える。
「感動した経験を、今までずっと引きずっているんですよね」。

 

髙木さんに、歴史を知る意味を尋ねてみました。
「シンプルに、自分が住んでいるところを好きになれるんです」。
古墳や遺跡は、実は飯塚市内のあちこちにあります。江戸時代から続く長崎街道のように、今も残る道もあります。
何も知らなければ、通り過ぎるだけの場所。でも、伊能忠敬も歩いた道だと知ると、いつもの道が少し気になる景色に変わる。教科書で見た昔の人が、意外と身近に思えてくる。
「昔と今って繋がってるんだなって」。
「少しの知識だけで面白いと思えることが増えるって素敵なことだと思います」。

 

そして、「今の時代を生きる私たちが、立ち止まって考えたほうがいいことは何か」という趣旨の質問に、髙木さんが以下のようにお答えくださいました。
「現代社会は便利で豊かになった一方で、人との繋がりが希薄となり、効率や正解ばかりを求めるようになっているように感じます。
現代は一人でも生きていけるように感じるかもしれませんが、社会は本来人々が協力し合い作り上げていくものだと思います」。
「正解や効率ばかりを求めるのではなく、改めて歴史を振り返り、一度立ち止まって考えることが必要なのではないかと思います」。

 

さて、ちょっと真面目な話のあとは、展示室に戻って、かわいい話を。
時代は進んで、古墳時代。
髙木さんが「うちのアイドル」と呼ぶ、小正西古墳出土の巫女の埴輪がいます。
「顔の形が整ってらっしゃる」
「現代風な顔ですよね」
まるで大切な仲間を紹介するような、やさしい口ぶりに、こちらまで頬がゆるみます。
家族や友人と行ったら「この人、誰かに似てる?」と盛り上がりそうです。

 

飯塚といえば炭鉱。筆者も、そのイメージでした。
でも、髙木さんが「見てほしい」と話してくれたのは、「炭鉱だけじゃない飯塚」。
縄文・弥生から続く長い長い歴史が、館内を歩くと一目でわかります。

 

ゴホウラ製貝輪とイモガイ製貝輪の展示

展示は、学芸員さんやガイドさんの説明が入ると、見え方がぐんと変わります。銅鏡がピカピカだったなんて、説明を聞かなければ分かりませんでした。
そんな話をしてくれるのが、約20名のボランティアガイドさん。予約をすれば、案内してもらえます。
お申し込みは、お電話で。
ボランティアさんの都合がつけば、という条件つきなので、早めの連絡がおすすめです。

 

入館料は、大人230円、高校生110円、小・中学生50円。しかも土曜日は、高校生以下が無料です!
家族や友人同士で訪れたら、帰りの車で「あの骨、すごかったね」と話がはずむかもしれませんね♪
ここで学んだことに、テストはありません(笑)

 

そして、この秋のお楽しみが、10月9日(金)から11月30日(月)まで開かれる企画展「ホナミとカマの古墳」です。
テーマは、古墳時代後期(約1500年前)の嘉穂地域を探ること。目玉の一つは、1年ほどかけて修復された馬形埴輪です。チラシには「初お披露目! 久しぶりの帰郷です」とあります。
中央に写る金属を見て、筆者は「矢じりですか?」と尋ねました。答えは「馬具ですね」。
言われてみれば、馬形埴輪のおしりの形と、同じ形をしています。こんな「えっ、そうなの?」も、ガイドさんに聞けばきっと見つかります♪

 

歴史を知ることについて、髙木さんはこうも話してくれました。
「シンプルに、日々が面白くなるなと思っているんです」。
この秋は、大昔にこの街に生きた人とその文化に、触れてみませんか?

 


Information
飯塚市歴史資料館
〒820-0011 福岡県飯塚市柏の森959-1
TEL.0948-25-2930
営業時間/9:30〜17:00(入館 16:30まで)
定休日/水曜日・臨時休館あり
★ホームページやInstagramをご確認ください
駐車場/あり
入館料/一般 230円(160円)|高校生 110円(70円)|小・中学生 50円(30円)
※( )内は20人以上の団体料金。
※土曜日は高校生以下無料。
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳をご提示された場合は無料(上記手帳を提示された方の介助者1名も無料)。

Website/飯塚市歴史資料館
Instagram/@rekishi_iizuka
X/@rekishi_iizuka

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れお

れお

WINGライター

福岡市在住。文章を書くのが好きで、平日は医療関係者、休日はライターとして活動しています。人やお店の「いいところ」を見つけるのが好き。地元の方はもちろん、福岡の方にも「ちょっと行ってみようかな」と思ってもらえる記事を目指しています。表に出ている情報だけでなく、奥にあるこだわりや背景にも目を向けながら、お伝えしていきたいです。

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