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【桂川】被葬者はどんな人?国内でもっとも豪華な石室を再現した王塚装飾古墳館



JR桂川駅から徒歩8分の場所に、王塚装飾古墳館はあります。なお、令和3年3月に新しくなった桂川駅には、王塚古墳内に描かれた三角文様が使用されています。

三角文は様々な古墳で描かれているのですが、元々は直線と帯状の弧線を複雑に組み合わせた直弧文というものがあり、それが簡略されたもので、魔除けまたは魔を封じ込める意味があると考えられています。
 



福祉バスがあるようでしたが、1時間に1本もないことや、駅から王塚古墳へ向かうバスはない事などから、王塚古墳に行く目的で使用するのは難しそうです。
 



こんもりとした丘のようなこちらが、出土品の形等から6世紀前半に造られたと考えられる王塚古墳です。
石室の装飾を守るため、普段は6つの扉に挟まれていて中を見ることはできません。

夏の時期、雑草で覆われて大変なことになる古墳も多いのですが、王塚古墳は定期的に草刈りをしているようで、大変綺麗でした。
 



すぐ側には王塚古墳公園があり、広い原っぱらを駆け回ったり遊具で遊んだりできるようになっています。
 



古墳側から見た王塚装飾古墳館。空飛ぶ円盤のような形ですね。
真正面はガラス窓で、中からも古墳が見えるようになっています。

駐車場と入口はこの右側です。
 



受付を済ませ、展示室に入っていきます。
万華鏡のようにキラキラしたトンネルを通り、現代から古代へタイムスリップです!
 



中には1~2のテーマに沿ったものが展示されています。
テーマ1として「王塚古墳が造れた時代」。
テーマ2は「国指定特別史跡王塚古墳」。原寸大の石室に入れるようになっています。
テーマ3「装飾古墳の世界」。国内にある代表的な装飾古墳8基と海外の1基の1/5スケールの模型が展示されています。
 



王塚古墳は古墳の装飾こそが注目されがちですが、副葬品もすごいんです!
馬具や鏡、装飾品など100点以上、全てが国の重要文化財となっています。
 



ハニワ馬が身に着けているのは、出土した馬具の復元品。
福岡で同じ形の発見例はごく少数。継体大王(今でいう天皇)時代の関西で沢山見つかっていることから、継体大王から贈られた物だと考えられています。

継体大王は、本来は皇位を継ぐ立場ではなかったのに紆余曲折を経て即位した人です。立場を強固にする為、「良い物あげるから仲間になって!」と王塚古墳の主にアプローチしていたかもしれませんね。
 



入口から豪華な、原寸大の石室復元品。
全国に約700基ある装飾古墳の内、赤く塗った上に絵を描いているのは、八女市にある弘化谷古墳と王塚古墳の2つしか見つかっていない大変珍しい例だそうです。

また、王塚古墳は使われている顔料も赤・黄・緑・黒・白・灰と国内最多の色数なので、日本一豪華な装飾古墳と言えます!!
 



王塚古墳には最奥に石棚があるのですが、これは6世紀初頭に和歌山県で始まりました。大谷山22号墳が最初の事例だということです。その下の石屋形は熊本県で発生したものです。

石屋形にベットを置くものはごく少数。その中でもツインベットタイプは4例しか見つかっておらず、王塚古墳を除く残り3つは全て熊本県だそうです。
 



装飾古墳は5世紀に始まり、最初のうちは彫って描くタイプでした。熊本県八代市に多く見つかっています。それから6世紀初頭、顔料で描くタイプのものが始まり、熊本県玉名市の塚坊主古墳が最初の事例です。

王塚古墳には様々な地域の墓作りの要素が取り入れられていることから、この人物は、継体大王のみならず様々な地域の人達と交流がある大変アクティブな人物だったと考えられています。
 



王塚古墳には、三角文、同心円文、珠文、双脚輪状文、わらび手文、騎馬像、靫、盾、大刀など様々な文様が描かれています。
中でも注目したいのが盾と靫。展示室内には参考資料として、八女市の岩戸山古墳で出土した石製品のレプリカが置いてあるのですが、これと古墳の文様が同じ形をしています!
 



筑後国風土記に書かれた文章から、岩戸山古墳は磐井の墓とされています。九州で力を持っていた豪族です。
古事記や日本書紀には継体大王に背いた、風土記には継体大王軍が急に襲撃してきたと書かれています。

王塚古墳が磐井の乱の前後どちらに出来たのか分からないのですが、きっと彼らと交流があっただろうと想像するとわくわくしますね♪
 



古墳の文様はまた、同じ物でもちょっとずつ違った描かれ方をしているという点も注目です。写真は同じ靫ですが、石製品やそれと同じ描かれ方の靫は矢が上に飛び出しているのに対してこちらは収まってたり、色の塗り方が違ったり等、様々なバージョン違いがあります。

石室内に描かれた文様、見れば見るほど発見があります。
 



残念ながら王塚古墳、出土品の本物は京都にありますし、本物の古墳は年に2日×2回しか見ることが出来ません。しかし今、本物を展示するためにハニワの復元を頑張っていらっしゃるということです!楽しみ♪

右は同時代の円筒ハニワで、直径20cm高さcm。王塚古墳のは直径が42cm高さ90cmになる見込み。
このような大きなハニワが周りに並べられた古墳は、外から見てもかなり立派だったでしょうね。
 



受付の横には王塚古墳オリジナルグッズが販売されています。
キーホルダーやイヤホン、付箋やマスキングテープなど様々です。
 



オススメは、王塚古墳の壁画に描かれた馬を裏表に取り入れた紺色のエコバッグ!
右向きのオス馬と2人の人の上には太陽が、左向きのメス馬と1人の人の上は星が輝いているように見えて素敵ですね。学芸員の長安さんがデザインしたそうです。

これ以外にも可愛いグッズがいくつもありますので、お越しの際にはぜひ展示とグッズもお楽しみ下さい♪
 


Shop Information
王塚装飾古墳館
〒820-063 福岡県嘉穂郡桂川町寿命376
0948-65-2900
9:00〜16:30
月曜日(祝日の場合は翌日)
12月29日~1月3日
あり
入館料
大人 330円(270円)・中高生 160円(130円)・小学生 110円(80円)
( )内は20名以上の団体料金
王塚装飾古墳館
@ouzuka_kofun
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