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〈その4〉人に学ぶ
コロナの流行により世の中が大きく変わった。人は閉塞感を感じながらの生活を余儀なくされ、自分もいつ感染する、させるかもしれないという気持ちが常についてまわるようになった。皆のイライラがつのり、運転の仕方まで変わったように思える。安全であった場所がなくなり「安心」を失ってしまった。
「安心」って何だろう。そう言えばこんな話を聞いた事がある。「車の後部座席で眠ること」これが安心の定義だと。愛をたっぷりと受けて育った子ども。その子ども達は、車の後部座席で何の心配もなく眠る。車を運転している人が親であれ誰であれ、相手が大人である事に安心して身を委ねている。微笑ましい姿。見ていて嬉しくなる。
しかし、運転している大人には、なかなか安心して身を委ねる場所がない。そして安心して何でもまかせられる人がいない。子どものときはあれだけいた安心できる大人はどこへ消えてしまったのか。
彼と知り合ったのは高校生の時。野球をする為に学校へ行く私と吹奏楽をする為に通っている彼。ただの顔見知りでしかなかった。
それが月日が経ち、彼と共に大きなイベントを行った。彼は常に言った。「森。思い切ってやっていいよ。責任は僕が持つから」。この言葉は嘘ではなかった。表に出てガンガンやった。その尻を常に彼がふいてくれた。
学校を早期に辞めて、塾を開く事を相談したのも彼。その時も「全面的に協力するからまかせとき」って言ってくれた。困った時の相談。でも押しきせがましい事は何一つ、彼は言わなかった。ありがたい事に大人になっても子どもでいられた。
あの世というものがあるのなら、必ず君と再会し、今度は「安心させて」あげたい。
亡き「真友」にこのコラムを捧ぐ。
大庭和史君、「君を忘れない」。
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