今ここを学ぶたのしさ

先日、86歳になる母が突然、私の小学校時代の通知表を持ってきた。中を見ると、まあ人様に偉そうに言えない成績で思わず笑ってしまった。所見欄には「字が汚い。」「落ちつきがない。」と書かれている。そうか、孫が落ちつきがないのは、「私の遺伝」と改めて思った。夏休みの最終日に泣きながら一日宿題をしている子供だった。
勉強に目覚めたのはいつの頃か、これは、はっきりと覚えている。私が通っていた中学校は考査の採点を生徒がやっていた。最初の考査で理科は22点だった。友人達が採点するわけだから、私の22点は当然皆にばれている。「恥ずかしい」と思った。とにかく「恥ずかしい」。この一点が私を変えた。次の考査に向けて、教科書の大切な部分には、ふせんを作って貼りつけ、徹底して暗記した。深夜のラジオ番組を聞きながら、ひたすら書いた。声に出して読んだ。結果、考査で98点の点数を取った。嬉しかった。満足感で一杯だった。ふと教科書を見ると、少し膨れていた。その教科書の姿が愛しくて勉強が楽しくなった。自分で工夫し学んだ跡は確かに残っていた。
きっかけなんて何でも良い。勉強（学ぶ）が楽しくなると世界観が変わる事を発見した。