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〈筑豊びと〉無肥料無農薬栽培えっちゃん畑。石橋悦美さん



いつの時代も食はみんなの関心事です。
美味しいのはもちろん、できれば安心できる食物をいただきたいものです。そこで、無肥料無農薬で農業を営んでいるえっちゃん畑の石橋さんにお話を伺いました。
場所は直方市下新入。真夏の太陽が降りそそぐ緑豊かなえっちゃん畑は、立っているだけでも土からパワーを感じます。
 


提供:えっちゃん畑



えっちゃん畑の野菜作りについて教えてください。

畑は2020年から始めました。固定種や在来種、自家採種の種を使って無肥料無農薬で栽培しています。昨今は遺伝子組み換えやゲノム編集などが話題になっていますが、健康への影響について解明されていない部分が多くあります。
そのため、昔から食べられてきた固定種や在来種、特に自家採種にこだわって栽培しています。また、水やりをしないというのもこの畑の特徴です。これらの植物は、自ら土中の水分を探す力があるので、あえて甘やかさず育てることでしっかりと根をはってくれます。常時およそ10種類ほどの作物を育てていて、ここで採れた野菜は、さっぱりとした甘みと雑味のない味わいで、お客様にとても喜んでいただいています。ほかにハーブやエディブルフラワーの栽培も行っています。
 

提供:えっちゃん畑



東京農業大学をご卒業されていますが、ずっと農家を目指していたのですか?

当時は環境問題に関心があり、大学では水の研究をしていました。
結婚を機に福岡に戻り、まず園芸を始めました。特にエディブルフラワーをやってみたいと思い、福津市にあるガーデンアルテの松尾由希恵先生から栽培方法を学びました。

提供:えっちゃん畑



そして野菜作りは、石井ピュアファームの石井吉彦先生に師事しました。石井先生は無肥料無農薬で自家採種で種からこだわった自然農を提唱されていて、そこで土壌と種の大切さを学びました。
実はその頃、難病といわれるクローン病を患ってしまい、食事が原因ではないかと自分なりに考えていました。この農法の野菜を食べ、添加物を除くなど食事に気を付けるうちに次第に回復し、今ではすっかり完治しました。
食材を選ぶことの大切さを身をもって経験することができました。
 

提供:えっちゃん畑



一方で、アレルギーのある方や食に興味のある方を中心に、野菜が欲しいとお声がかかるようになり、意外と需要があることがわかり、仕事として農業をはじめました。あれよあれよという間にここまできたという感じです。(笑)
ありがたいことに、今ではレストランやファンになってくださるお客様も増え、野菜嫌いのお子様でもえっちゃん畑の野菜だったら食べられる等のお声をいただいたり、やりがいを感じています。
 

提供:えっちゃん畑



農業をやるにあたり、大変だったことはありますか?

土地を畑に適した環境に改良することが大変でした。
耕作放棄地は田んぼの跡地が多く、田んぼは下層に耕盤を作って水を溜めるようにできています。逆に畑は水はけが大事です。土の団粒構造を壊さないように畑の中にはトラクターなどの重い機械は入れないようにし、畑の周りはユンボで溝を掘って水はけを良くしました。また、雑草を生やして土地に残っている薬剤を抜くなど、環境づくりに1年ほどかけました。
えっちゃん畑それから、今6カ月の娘がいるのですが、妊娠中も大変でしたね。つわりが辛かったのに加えて、できる作業も限られてしまうので。幸い父と援農の方が手伝ってくれたので何とか乗り越えることができました。今は育児をしながら、父と二人三脚で頑張っています。
 



今日もお父様と援農(農作業をサポートするボランティア)の方がいらっしゃいますね。

はい。日頃からとても助けていただいています。彼女は特に足繁く通ってくださるので、女神と呼んでいます(笑)
そして、まだまだ援農したい方を募集しています。詳しいことは公式LINEでお問い合わせいただければと思います。
 

提供:えっちゃん畑



えっちゃん畑の野菜はどこで買えますか?

公式LINEで承っています。
8月限定でFrench Cafe夢季家さんとのコラボ企画、3品以上入った「旬の野菜セット」(1,000円・夢季家シェフ自家製ハーブティのプレゼント付き)という商品を販売することになりました。受け渡し場所はえっちゃん畑で、畑を見てもらうことでファンをもっと増やそうという試みです。
また、農家の食卓takeさんでも不定期で販売していますので、お食事の際はぜひお買い求めください。
そのうち定期便もはじめる予定です。
 



最後に今後の展望を教えてください。

更なる安心安全を追求し、過剰症の人でも食べられるような究極の野菜作りを目指すとともに、次はお米作りに挑戦したいです。なるべく川の上流で、まとまった田んぼを探しています。販路が確保できたら、田んぼごとに管理者を設けて広げていきたいと考えています。
余談ですが、お酒が好きなので、オーガニックのお酒造りにも関われたら嬉しいです(笑)
そして、女性の農業者、妊婦や育児中の農業者が、農業をやっていく上でのビジネスモデルになれるような、そこまでいかなくてもヒントになるようなことをやっていけたらと思っています。
 




後に続く農業者が増えると嬉しいですね。究極の野菜やお米作りも期待しています。ありがとうございました。

えっちゃん畑では、とても無肥料とは信じられないほど豪快な野菜たちが育っていました。ひと際目を引く菊芋の林、大きな葉っぱをゆらす里芋たち、石垣をよじのぼる自由なカボチャなど、圧倒的な生命力に満ちあふれています。自然に沿った農業は人も環境も丸ごと元気にするんですね!これからも、えっちゃん畑がますます発展するよう応援したいと思います。
 


Information
石橋悦美(いしばし・えつみ)
1978年生まれ。直方市出身。
東京農業大学卒。
2020年 えっちゃん畑開業。

無肥料無農薬栽培 えっちゃん畑
お問い合わせは、LINEからお願いします。
公式LINE
@etchan_farm

掲載内容は記事作成時の情報となります。
 

 

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