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04: ω3オメガスリー多価不飽和脂肪酸摂取で血圧が下がる
ω3多価不飽和脂肪酸(ω3PUFAプーファ)の内、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、魚類の脂に多く含まれています。既に高脂血症・高中性脂肪血症への治療薬としてもEPA製剤・EPA+DHA製剤は使用されています。
2022年7月にJournal of American Heart Associationジャーナル オブ アメリカン ハート アソシエーションに発表された統計学的分析(メタアナリシス)は、2021年5月までに発表された71の無作為化対照試験(RCT)のデータを対象として血圧に及ぼすEPA製剤やDHA製剤、EPA+DHA製剤の効果を4973症例に対して新しい統計手法を用いて検討しています。
その結果、ω3PUFA製剤の収縮期血圧・拡張期血圧に対する降圧効果はJの字曲線を描いており、最も降圧効果があったのは、ω3PUFAの一日量で2〜3g/日で、収縮期血圧で中央値2.61mmHg、拡張期血圧で中央値1.64mm低下しており、それよりも投与量が増えても効果は減弱していました。但し、高脂血症を合併している症例・45歳以上の症例ではω3PUFA製剤の降圧効果は用量依存的に直線的に効果を示していました。
例えば、ω3PUFA 1gは、秋刀魚サンマでは1尾・小型のイワシでは2尾・サバでは半身の量に相当しますから、ω3PUFA2~3g/日とは、かなりの量の魚を摂取しなければいけません。
VITAL研究は、ビタミンDとω3PUFA 840mgを混ぜたサプリメントの1日一回投与の心血管有害事象・癌に対する効果を米国50歳以上の25871症例を対象として行ったRCTです。
2020年1月、Circulation Researchサーキュレーション リサーチに掲載されたその研究の総括では、ω3PUFA投与群は、対照群と比較して総ての心血管有害事象の発生を有意に減少させていませんが、心筋梗塞の発症は対照群より28%減少させていました。この心筋梗塞の減少効果は、魚の消費量が平均より少ない群・糖尿合併群・喫煙群・アフリカン-アメリカン群・高血圧合併群・治療中の高コレステロール血症合併群で顕著でした。この論文の著者たちは、ω3PUFAの効果の機序について、炎症反応の抑制・血圧降下作用・中性脂肪減少効果・血栓形成抑制・一酸化窒素誘導による血管内皮弛緩作用の増加を挙げています。
しかし、2021年12月のCirculationサーキュレーションには、1g/日のω3PUFAサプリメント投与で心房細動発症の危険性が増加するとのメタアナリシスが発表されており、ω3PUFAをサプリメントとして投与する事の是非は、まだ議論の真只中にあります。
但しω3PUFAを食品から摂取する事は、問題なく、どのガイドラインでも推奨されています。
 日本動脈硬化学会のホームページには、The Japanese Dietザ ジャパニーズ ダイエットという動脈硬化予防の為の食事療法の献立の考え方・料理の組み合わせを説明したPDFダウンロードページがあります。参考にされては如何でしょうか。
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