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09: 一日1~2分の高強度の(激しい)運動数回で死亡率が低下
前回に引き続き、UKバイオバンクからの報告です。身体活動/運動が死亡率を下げ、心血管疾患やある種の癌の発症の危険性を低下させる事は、様々な研究で判っています。
最近の身体活動のガイドラインでは、1週間に中等度の強度の運動を150~300分か、高強度の身体活動を75~150分する事を推奨しています。これらのガイドラインは、アンケート調査の結果に基づいており、ジムでの運動・ランニング・スポーツなどは記録として捉えられていますが、10分以下の身体活動は評価されておらず、10分以下の運動の健康上の意義については不明でした。又、中高年の大多数にとっては、余暇に高強度の運動やスポーツを習慣的に行う事は敷居が高く、運動の習慣がある人は多くはいません。
2022年12月Nature Medicineネイチャー メディシンに発表された研究は、UKバイオバンクの参加者の内、運動する習慣のない25241例(平均年齢61.8歳、56.2%が女性)を平均6.9年の観察期間に大腿装着型/手首装着型の加速度計(活動量計)を着けてもらい、間歇かんけつ的な高強度の身体活動(VILPA)の全ての原因の死亡・心血管疾患による死亡・癌による死亡に及ぼす影響について調査しています。その結果、VILPAと3種類の死亡はほぼ直線の逆相関を示しており、VILPAの運動時間が長い程、VILPAの一日の回数が多い程死亡の危険性が低い事が判りました。例えば、平均1日3回/1~2分の持続時間のVILPAをした症例は、全くVILPAをしなかった症例と比較すると、全死亡と癌による死亡は38~40%少なく、心血管疾患による死亡は48~49%減少していました。このVILPAの死亡減少効果は、運動する習慣のある62344症例での高強度の身体活動の効果とほぼ同等でした。
日常生活のVILPAとは、どの様なものでしょう?階段を非常に速いペースで上る・平面を自分の体重の5~10%の重さの買い物かごを持って速く歩くなどを著者は挙げています。
この研究は、最新の器具を用いる事で初めてVILPAを記録し、その効果を明らかにしており、習慣的に運動する意欲のない人・運動する事が出来ない人を対象とした運動療法としてのVILPAの可能性を示唆しています。
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