51: 腸内細菌叢と心房細動の関係
2026年7月25日のJournal of Clinical Investigationにクリーブランド・クリニックの研究グループが腸内細菌叢による代謝物質(トリメチルアミン:TMA)が 肝臓でトリメチルアミンN-オキシド(TMAO)に変換され、それが自律神経機能障害を惹起することで心房細動(af)発症の危険性を高めた、との研究結果を発表しました。
TMAOは心血管疾患・心不全・慢性腎臓病の単独の危険因子として知られており、泡沫細胞を増殖させて動脈硬化を促進する・末梢から肝臓へのコレステロール逆転送を阻害する・血小板凝集能を亢進させ血栓形成を促進する・線維化-炎症反応を促進するなどの機序がこれまで報告されています。
コリンは卵・肉・乳製品などに豊富に含まれ、細胞膜・胆汁の形成などに必要な物質ですが、一部は腸内細菌叢でTMAに変換され、そのTMAが肝臓で酸化されTMAOになります。クリーブランドの研究グループはTMAO濃度とaf発症の関係を臨床研究で示し、動物モデルを使ってコリン-TMA-TMAO-心房細動発症の機序を調査しました。
待機的に心臓カテーテル検査行った5090症例のTMAO血中濃度とaf発症の危険性の評価では最低TMAO濃度群に比較して最高TMAO濃度群のオッズ比は1.7でした。
af発症モデルマウスCREM-lbΔC-XにTMAOを毎日餌に添加するとafになりました。別のaf発症モデルマウスC57BL/6JにTMAOを餌に添加したりしなかったりさせた後、経食道ペーシングすると、通常の餌のC57BL/6Jよりもafが誘発され易かったことも判り、TMAOのaf発症効果はマウスのモデル依存性ではない事が示されました。次にコリンを餌に加えるとCREM-lbΔC-Xは発作性af・慢性afを通常の餌の群より発症し易く、コリンをTMAに腸内細菌叢で変換するのを阻害するヨードメチルコリン(IMC)とコリンを一緒にCREM-lbΔC-Xの餌に加えるとTMAO濃度とaf発症は抑制されました。
コリンを投与されたCREM-lbΔC-Xマウスを通常の餌のマウスと比較すると形態的には左房の拡大が認められ、電気生理学的には、伝導測度の低下と活動電位の持続時間が短く、この事がafに成り易い要因であり、又コリン付加マウス群ではムスカリンM2受容体が阻害されており、つまり自律神経が障害を受けた状態で、相対的に交感神経優位になり、心拍数が増加しやすいのでafに成り易いことが示されました。
この研究で、コリン→TMA→TMAO→自律神経障害→電気生理学障害→心房細動という一連の機序が初めて示されました。またTMA合成阻害剤であるIMCの効果も示され、将来の治療の可能性を示唆しています。
TMAOは心血管疾患・心不全・慢性腎臓病の単独の危険因子として知られており、泡沫細胞を増殖させて動脈硬化を促進する・末梢から肝臓へのコレステロール逆転送を阻害する・血小板凝集能を亢進させ血栓形成を促進する・線維化-炎症反応を促進するなどの機序がこれまで報告されています。
コリンは卵・肉・乳製品などに豊富に含まれ、細胞膜・胆汁の形成などに必要な物質ですが、一部は腸内細菌叢でTMAに変換され、そのTMAが肝臓で酸化されTMAOになります。クリーブランドの研究グループはTMAO濃度とaf発症の関係を臨床研究で示し、動物モデルを使ってコリン-TMA-TMAO-心房細動発症の機序を調査しました。
待機的に心臓カテーテル検査行った5090症例のTMAO血中濃度とaf発症の危険性の評価では最低TMAO濃度群に比較して最高TMAO濃度群のオッズ比は1.7でした。
af発症モデルマウスCREM-lbΔC-XにTMAOを毎日餌に添加するとafになりました。別のaf発症モデルマウスC57BL/6JにTMAOを餌に添加したりしなかったりさせた後、経食道ペーシングすると、通常の餌のC57BL/6Jよりもafが誘発され易かったことも判り、TMAOのaf発症効果はマウスのモデル依存性ではない事が示されました。次にコリンを餌に加えるとCREM-lbΔC-Xは発作性af・慢性afを通常の餌の群より発症し易く、コリンをTMAに腸内細菌叢で変換するのを阻害するヨードメチルコリン(IMC)とコリンを一緒にCREM-lbΔC-Xの餌に加えるとTMAO濃度とaf発症は抑制されました。
コリンを投与されたCREM-lbΔC-Xマウスを通常の餌のマウスと比較すると形態的には左房の拡大が認められ、電気生理学的には、伝導測度の低下と活動電位の持続時間が短く、この事がafに成り易い要因であり、又コリン付加マウス群ではムスカリンM2受容体が阻害されており、つまり自律神経が障害を受けた状態で、相対的に交感神経優位になり、心拍数が増加しやすいのでafに成り易いことが示されました。
この研究で、コリン→TMA→TMAO→自律神経障害→電気生理学障害→心房細動という一連の機序が初めて示されました。またTMA合成阻害剤であるIMCの効果も示され、将来の治療の可能性を示唆しています。
31/Jul/2026