02: 健康維持に一万歩歩かなくても良い
肉体活動は、心血管疾患・2型糖尿病・様々な癌への罹患と其れに拠る死亡率を低下させ、質の良い生活の維持に関与しています。
歩数計は、1965年に日本で初めて開発され、商品名の「万歩計®」からか「健康維持には毎日一万歩歩かなくてはいけない」と世界的にも広く伝わっていますが、此れに医学的根拠が有る訳ではありません。
2022年3月、医学雑誌Lancetに、毎日の歩数と全ての原因の死亡数との関係を調べた15の臨床研究を統計的に解析した結果(メタ・アナリシス)が掲載されました。
15の研究は、1999年から2018年の間に北米・アジア・ヨーロッパで18歳以上の成人47,471人を対象に行われた観察期間の中央値7.1年の調査で、その間に3,013人が亡くなっています。一日の歩数で4つのグループに分類し、一番歩数の少ないグループの死亡の危険率を1として他の3つのグループの死亡のハザード比を算出しています。
一番歩数の少ないグループ1の一日の歩数の中央値は、3,553歩/日、次のグループ2の歩数の中央値は5,801歩/日でハザード比0.60、グループ3の歩数は7,842歩/日でハザード比0.55、グループ4の歩数は10,901歩/日でハザード比0.47と歩数が多いグループ程死亡の危険性が下がる事が判明しました。
これを、60歳以上のグループ、60歳未満のグループに分け同じ様に4つグループに歩数で分類し死亡リスクを計算すると、60歳以上では6,000~8,000歩/日で死亡リスクは半分以下に低下し、60歳未満のグループでは8,000~10,000歩/日で死亡の危険性は半分以下に低下し、それ以上の歩数/日の死亡率低下の効果は、ほぼ平坦になる事も判りました。
歩行の強度=時間当たりの歩数の死亡率への効果も調べられましたが、歩行強度の高い程死亡率も低下するとの結果は出ていません。2021年9月にJAMA®に発表された、米国の41~65歳を対象とした歩数/日と死亡の危険性を前向き研究で評価した調査も、歩行強度が死亡リスクを下げた、との結果は出していません。
以上から、死亡の危険性を下げる目的には、必ずしも毎日一万歩歩かなくても良い、と云えそうです。
歩数計は、1965年に日本で初めて開発され、商品名の「万歩計®」からか「健康維持には毎日一万歩歩かなくてはいけない」と世界的にも広く伝わっていますが、此れに医学的根拠が有る訳ではありません。
2022年3月、医学雑誌Lancetに、毎日の歩数と全ての原因の死亡数との関係を調べた15の臨床研究を統計的に解析した結果(メタ・アナリシス)が掲載されました。
15の研究は、1999年から2018年の間に北米・アジア・ヨーロッパで18歳以上の成人47,471人を対象に行われた観察期間の中央値7.1年の調査で、その間に3,013人が亡くなっています。一日の歩数で4つのグループに分類し、一番歩数の少ないグループの死亡の危険率を1として他の3つのグループの死亡のハザード比を算出しています。
一番歩数の少ないグループ1の一日の歩数の中央値は、3,553歩/日、次のグループ2の歩数の中央値は5,801歩/日でハザード比0.60、グループ3の歩数は7,842歩/日でハザード比0.55、グループ4の歩数は10,901歩/日でハザード比0.47と歩数が多いグループ程死亡の危険性が下がる事が判明しました。
これを、60歳以上のグループ、60歳未満のグループに分け同じ様に4つグループに歩数で分類し死亡リスクを計算すると、60歳以上では6,000~8,000歩/日で死亡リスクは半分以下に低下し、60歳未満のグループでは8,000~10,000歩/日で死亡の危険性は半分以下に低下し、それ以上の歩数/日の死亡率低下の効果は、ほぼ平坦になる事も判りました。
歩行の強度=時間当たりの歩数の死亡率への効果も調べられましたが、歩行強度の高い程死亡率も低下するとの結果は出ていません。2021年9月にJAMA®に発表された、米国の41~65歳を対象とした歩数/日と死亡の危険性を前向き研究で評価した調査も、歩行強度が死亡リスクを下げた、との結果は出していません。
以上から、死亡の危険性を下げる目的には、必ずしも毎日一万歩歩かなくても良い、と云えそうです。
1/Jun/2022