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28: 14の危険因子に介入すれば、認知症を減らせる
2024年7月31日のLancetランセットに認知症の予防・介入・介護に関する最新の知見をまとめた報告書が発表されました。
認知症の発症は遺伝的素因を含め多くの危険因子が関与していますが、その内の14の危険因子は修正可能であり、その因子に介入する事で認知症の発症を45%減らす、予防する事が出来ると主張しています。
その危険因子として、人生初期の教育不足、18~65歳での難聴・高LDLコレストロール血症・うつ病・頭部外傷・運動不足・糖尿病・喫煙・高血圧・肥満・過度のアルコール摂取、65歳以上での社会的孤立・大気汚染・視力喪失を挙げています。
教育不足とは、生涯の教育が6年で終了してしまった状態(小学校まで)を指しますが、大学までの教育を受けた集団は、そうでないグループより認知症に成り難い、との報告もあります。全ての人に高等教育を享受できる様に金銭的援助を含めて促し、生涯の全ての期間に於いて認知機能を刺激する様な活動(仕事・ゲームなも含め)をする事は重要とこの報告書は述べています。
サッカーのヘディング程度の衝撃でもプロ選手の様に長期間に及ぶと認知症の危険性が高まる事は知られており、頭部外傷を防ぐ為にラグビーなどの接触プレーの多いスポーツ・自転車に乗る時にはヘルメット・頭部保護器具を付けるように勧めています。
高LDL血症は、脳卒中の危険性を増加し脳でのアミロイドβ・タウ沈着との関連もあり、高LDL血症に対してのスタチン投与は、認知症の危険性を減少させます。
収縮期血圧高値は、認知症の危険因子(ハザード比1.02~1.10)であり、降圧剤の使用による血圧コントロールは降圧剤を使用しなかったグループと比較して認知症の危険性はハザード比0.88と低かったとの報告があります。降圧剤の種類による認知症への効果の比較は、直接の比較試験は無いものの、カルシウム拮抗剤とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤が他の種類の降圧剤より有用であったとの解析結果もあります。40歳以上では、収縮期血圧を130mmHg未満に維持する様に勧告しています。
エタノール量で168g/週以上の飲酒をすると認知症の危険性が高くなると報告しています。ビール大瓶1本でエタノール25g、焼酎25%1合でエタノール36g、日本酒1合でエタノール22g、ワインフルボトル1本でエタノール72gに相当します。
高濃度のPM2.5、木炭、二酸化窒素、二酸化硫黄、一酸化炭素等の大気汚染は、認知症の危険因子で、PM2.5が1㎍/㎥増加すると認知症がハザード比で1.03増加すると報告しています。WHOは年間平均PM2.5濃度が5㎍/㎥未満である事が望ましいと勧告しています。
どの年齢においてもこの14の危険因子を改善するように努める事は大切です。
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