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32: 未精製ココアで高脂肪食に因る血管内皮機能低下を防御
フラボノイドは、ポリフェノールの一種で天然の植物色素の総称です。植物の葉・茎・果実に含まれ4000種類近くあります。フラボノイドは、化学構造によってフラボン(ハーブ・パセリ・セロリに含まれる)・フラボノール(林檎・玉葱・ブロッコリ・ケール・茶の葉に多い)・フラバノン(柑橘類に含まれる)・イソフラボン(豆・大豆及び大豆製品に多い)・アントシアニン(葡萄・ブルーベリー・苺に含まれる)・フラバノールに分類されます。これらのフラボノイド類には、抗酸化作用・免疫調節作用・抗血小板作用があり、アンチエイジング・抗癌効果・抗動脈硬化効果を期待され様々な研究がされています。フラバノールにはカテキン・エピカテキン・ガロカテキンなどが含まれ、緑茶・紅茶・ココア・チョコレートに多く含まれます。フラバノールには、一酸化窒素の生物学的利用率を増加させ、血管収縮作用のあるエンドセリン-1を減少させる事で血管保護作用があると考えられています。
一方、精神的ストレスが掛かっている状態は、それだけで血管内皮機能を低下させます。更に精神的ストレスの掛かっている状態は食習慣にも影響を与え、過食・高脂肪食摂取量を増加させ果物・野菜の摂取量を減少させます。高脂肪食は、ストレスで低下した血管内皮機能の回復を障害する事が既に判っています。
この高脂肪食に因る血管内皮障害作用をフラバノールが豊富なココアを摂取する事で防御した、との研究結果が2024年11月18日のFood & Functionフード アンド ファンクション誌に発表されました。
18~45歳の健康な(非喫煙者・アルコール摂取量が21ユニット/週以下・急性の感染症が無い・心血管疾患/呼吸器疾患/代謝性疾患/肝臓病/血栓症の既往が無い・食物アレルギーの無い・減量の為の食餌療法を行っていない・過去三か月の抗生剤投与/薬物療法の既往が無い)23人(男性11人/女性12人)に高脂肪食(バタークロワッサン(67g)2個に10gの有塩バター・1.5スライスのチェダーチーズ(37.5g)・成分未調整の牛乳250ml)の総カロリー891Kcal・脂質56.5gの朝食を摂ってもらい、これに高フラバノール(695mg)のココアを摂取する群と低フラバノール(5.6mg)のココアを摂取する群に無作為に振り分け、ストレスの掛かる足し算の暗算テストを行い、血管内皮機能(上腕動脈の血流依存性血管拡張反応:FMD)・血圧・心拍数などを観察しました。
その結果、低フラバノール+高脂肪食を朝食に摂取した群では、暗算によるストレスが掛かるとFMDは低下し、テスト後90分も低下したままでしたが、高フラバノール+高脂肪食の朝食を摂取した群では、FMDの低下は有りませんでした。
以上から、フラバノールの豊富な食物は高脂肪食に因る血管内皮機能低下を短期的に防御する可能性が示唆されました。
この研究グループは毎日のフラバノールの摂取として2杯の緑茶か、余り加工されていないココアをテーブルスプーン(=大匙1杯:15ml)5.5杯か、300gのベリーの摂取を勧めています。
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27/Dec/2024
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