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45: 運動の種類と死亡率
運動の種類と死亡率の関係についての長期間の大規模前向き調査の結果が2026年1月20日 British Medical Journalブリティッシュ メディカル ジャーナルに掲載されました。米国ハーバード大学の研究グループが1976年から看護師健康調査の一環として30~55歳の121, 700症例の女性から、1986年から始まった医療従事者追跡調査で医療従事者(歯科医師・薬剤師・獣医師・整骨師・眼科検査技師など)の40~75歳の男性51, 529症例から糖尿病・心血管疾患・癌・呼吸器疾患・神経疾患に罹患していない症例111, 467症例を抽出し、運動の活動量・運動の種類の多様性についての分析をし、各種疾患に因る死亡率と運動との関係を30年以上追跡調査しました。
運動の種類は、歩行、ジョギング、ランニング、自転車、水泳、テニス・スクウォッシュなどのラケットボールゲーム、階段を昇る、漕艇や美容・柔軟体操、筋力トレーニング・レジスタンストレーニングで、活動量をMETs✕時間/週で計算しており、METs(代謝当量)は身体活動強度の指標で1METは安静座位での酸素消費量に相当します。論文の補遺では、運動強度(METs)を歩行:3、ジョギング:7、ランニング:11~12、自転車:7、水泳:7、テニス等:7、漕艇・美容体操:6、筋力トレーニング:4~5.5、階段昇り:8~8.5と想定しています。
観察期間に38,847名が亡くなり、9,901例が心血管疾患で、10,719例が癌で、3,159例が呼吸器疾患により亡くなりました。水泳以外の運動は、全ての原因の死亡率を下げますが(ハザード比0.83~0.96)、活動量と死亡率を下げる効果の関係は直線的では無く、或る閾値に活動量が到達するとその効果は頭打ちになる運動の種類が多い事が判りました。例えば、歩行と筋力トレーニングでは閾値は7.5METs時間/週で、テニス・スクウォッシュ・ラケットボールでは5METs時間/週、階段昇りで0.75METs時間/週で閾値に到達します。水泳は2.5METs時間/週までは運動で死亡率を僅かながら下げますがそれ以上の活動量ではむしろ死亡率を僅かに上げており、ジョギングも7.5METs時間/週までは死亡率を下げますがそれ以上の活動量では死亡率を下げる効果は低下するU字型の関係性を示し、自転車は、2.5METs時間/週までは死亡率を下げますが、それ以上の活動量では余り効果が観られませんでした。この様に運動の種類によって死亡率を下げる効果に違いがある事が判明しました。
又、多くの種類の運動をする集団と僅かの種類の運動しかしない集団を比較すると、全ての原因の死亡率で前者は後者よりも19%も低く、心血管疾患・癌・呼吸器疾患による死亡率は13~41%低い事も判りました。つまり、死亡率低下には運動継続時間より運動の種類の多彩さが重要、という訳です。
何故水泳の死亡率低下効果が無いのか、ジョギングとランニングの効果の違いの原因、などの解明はこれからでしょう。
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