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46: 痛風症例への厳格な尿酸降下治療は心血管疾患を減らす
2026年1月26日のJournal of the American Medical Association Internal Medicineジャーナル オブ ジ アメリカン メディカル アソシエーション インターナル メディシンオンライン版に痛風症例への尿酸降下療法の効果を検証したイギリスの大規模研究の結果が発表されました。
2007年1月1日から2021年3月29日の期間に痛風と新たに診断され、尿酸降下療法を開始された18歳以上の109,504症例(平均年齢62.9歳±15.2歳、女性22.2%)の内、治療開始12ヶ月以内に血清尿酸値6mg/㎗未満を達成した群(T2T)29,919例と非達成群79,585例で主要心血管イベント(非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中・心血管死)の5年間での発生数を比較・評価しました。
治療前の尿酸値の平均は8.61mg/dlで、T2T群では平均5.18mg/dlまで尿酸値は下がりましたが、非達成群では平均尿酸値7.73mg/dlでした。解析の結果、T2T群は加重5年無イベント生存率が高く(加重生存率差1.0%)、主要心血管イベントの危険性は9%低い事が判りました。尿酸値5mg/dl以下に低下した群では更に効果があり、加重生存率差2.6%、主要心血管イベントの加重ハザード比0.77と低下していました。また、欧州心臓病学会の心血管リスク分類で高リスク群・超高リスク群で尿酸値降下の効果が著明(加重ハザード比0.88,0.91)でした。
今迄も痛風症例・高尿酸血症症例への尿酸降下療法の心血管疾患抑制効果を検証した臨床研究は幾つもありましたが、有意差が付いた試験はありませんでした。今回の研究は、以前の研究と何が違うのでしょうか? 著者たちは、サンプルサイズ(抽出症例数)が大きかった事・追跡期間が5年と長かった事・試験のデザインが良かった事(痛風症例を対象とし、しかも新規の症例の新規の治療を行ったのを対象とした事、ガイドライン通りに尿酸値を6mg/dl未満に低下させた、させなかった、で比較した事)を挙げています。
痛風症例では1年以内に目標の6mg/dl以下に尿酸値を下げる事が心血管有害事象を減少させるために重要である事は、今回の研究で明らかになりました。では痛風発作の無い無症候の尿酸値8.61㎎/㎗以上の高尿酸血症に対する尿酸降下療法は、心血管イベント予防の為に正当化されるでしょうか?現在の米国の高尿酸血症診療ガイドラインは、否定していますし、今回の臨床研究では結論は出ていません。しかし、恐らく著者たちは、痛風・痛風発作があった症例は全身的な炎症反応が持続しており、それが心血管疾患発症と関連している、と仮説を立てているでしょうから、無症候高尿酸血症に対する薬物治療には否定的でしょう。但し、今回の研究では炎症反応の評価はされておらず、尿酸降下療法と炎症反応との関係は今後の課題でしょう。
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27/Feb/2026
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