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47: 主要心血管有害事象への睡眠・運動・食事の複合的影響
2026年3月23日 European Journal of Preventive Cardiologyヨーロピアン ジャーナル オブ プリヴェンティヴ カーディオロジー誌にニュージーランドの研究グループが英国Biobankバイオバンクの症例を対象に主要心血管有害事象(MACEメイス:心血管死・急性心筋梗塞・脳卒中・心不全を含む)に対する睡眠・運動・食生活の質の複合的影響を評価した研究結果を発表しました。
睡眠・運動・食生活の質が夫々心血管疾患に影響を与える事は、単独の因子のみの研究で明らかにされていますが、これら三つの生活習慣は相互依存的・双方向性に影響を与え合うが知られています。例えば、不十分な睡眠は食欲ホルモンの伝達を混乱させ、食事の嗜好に影響を与え、カロリー摂取量を増加させます。又、十分な運動は睡眠の質を改善させますが、逆に不十分な睡眠は倦怠感から身体活動を制限します。しかし、これら三つの生活習慣の複合的効果が心血管疾患予防に与える影響はこれまで殆ど研究されていませんでした。
2006年~2010年の間に登録された53,242症例(平均年齢63歳、男性56.8%)を8年以上追跡し、MACEの発生数を確認しました。登録時に睡眠時間・中~高強度の運動時間を手首に装着するスマートウォッチの様な加速度計を利き手に7日間連続して付けて記録し、食事内容についての質問票で食事の質を評価しています。食事の質は、果物の摂取量、野菜の摂取量、全粒粉のパン・燕麦えんばく等の摂取量、魚の摂取量、乳製品の摂取量、植物油の摂取量、精製されたパン・ビスケット・シリアルの摂取量、肉の加工品の摂取量、牛・豚・羊肉の摂取量、砂糖を添加された飲料の摂取量で夫々それぞれ点数化(0~10点)していますが、最初の6項目は摂取量が多い程高得点、後の4項目は摂取量が多い程低得点の100点満点です。夫々それぞれ三つの生活習慣を低・中・高の群に分けて、年齢・性別・喫煙・教育レベル・貧困・飲酒・財産・高血圧/糖尿病/高コレステロール血症の加療歴・悪性疾患の有無などの影響が等しくなる様に調節し、MACE発生数を比較しました。
その結果、8~9.4時間の睡眠時間・42~104分/日の中~高強度の運動量・食事質問票の点数が32.5~50.0点の群は最低評価群に比較してMASEの発生数は57%も低い事が判りました。10分多く睡眠時間を摂り、毎日5分多く中~高強度の運動をし、手のひら一つ分多く野菜を摂取する事でMACEの危険性を10%下げる事も判明しています。
症例数の多さ、睡眠時間・運動時間の正確さ、複数の生活習慣を一緒に分析した事がこの研究の利点で、わずかの生活習慣の改善でも効果がある事を強調したのは、今後の実臨床に大きな影響を与えるでしょう。
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